ガラパゴス諸島 クルーズ記
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4日目 エスパニョラ島・フロレアナ島


◆プンタ・スアレス(スアレス岬)〜エスパニョラ島 

早朝6:15、放送でモーニングコールがあり、各自準備をしてから朝食。
朝食は昼同様バイキング。でも、サラダが無い?! (あとで、エクアドルの朝食はサラダを食べない、その代わりフルーツが沢山だという話を聞いた。)自宅以外で寝泊りすると、とたんに毎朝のお出ましがなくなる者としては、イタかった…

朝食を済ませると、すぐに上陸の準備。7:30ごろからチームごと順番にパンガに乗り込み、午前の上陸観察が始まる。
上陸は強制参加ではなく、休みたい人は船に残ってもよい。ただし、必ず居場所が分からないと困る(島に置いていったら大問題)ので、掲示板の名簿にチェックをしなければならない。上陸に参加する場合は名前の横に○、船に残る場合は×をつける。帰って来たら、また○をつける。以前、17歳の男の子が帰ってきた後の印をせずに、行方も分からなくなったという事件が起こったらしい。スタッフ総出で大捜索をし、島に戻ったり、海上保安庁みたいなところに連絡したり、大騒ぎになったが、実は船内で知り合った女の子の部屋にいて、ベッドの下に隠れていたということがあったようだ。恥かしい上に、周りには大迷惑な話だ。こうならないために、必ずマークをつけること、と注意があった。


今日はいきなりこの旅のハイライトの一つ、エスパニョラ島への上陸だ!
ここは「海鳥の楽園」といわれ、様々な鳥のコロニーがある。そして、島ごとに進化を遂げたというウミイグアナも、鮮やかな赤い色を帯びている種がいるのだ。
最も楽しみにしていたのは、4月〜11月ごろしか島にいない「ガラパゴスアホウドリ」。
アホウドリは、大きくて非常に美しい羽毛を持つ。日本でもかつて大量に乱獲され、絶滅に追いやられた。小学校のとき、そんな歌を習ったのを憶えているが、ここにいるアホウドリはそれとは種が異なり、ガラパゴス固有種。しかも、エスパニョラ島でしか繁殖しないので、他の島では見られない。
5月はちょうど産卵を終え、抱卵している時期。これを過ぎると卵がかえり、親鳥は海へ漁へ出かけ、4〜5日に1回しか帰ってこない。見られるのは茶色い産毛の生えた、ちょっとみすぼらしい雛ばかり…。さながら「みにくいアヒルの子」ね。そのため、今は沢山のアホウドリが見られるベストタイミングなのだ。だから5月に渡航を計画し、船もエスパニョラ島に行くものを探した。

エスパニョラ島のプンタ・スアレスに、水に濡れないで上陸できるドライランディング。するといきなりアシカのコロニー。
昨日より数が多いかもしれない。
少し進むと、海辺の溶岩には、ガラパゴスウミイグアナが!
なんだか
「ガラパゴスだぜ!」という雰囲気が、最高潮に達した。やっぱり爬虫類を見ないと、ガラパゴス感が出ないよねぇ。
他に、エスパニョラ島亜種のヨウガントカゲがオスメスそろって見られ、昨日も見たフィンチやマネシツグミ、ササゴイなどもいた。

  

しばらく歩くと、茂みが現れ、その向こうに崖が見えた。すると、マスクカツオドリ(ナスカブービー)や、アオアシカツオドリなどがぐるぐる飛び回り、コロニーが向こうにあることが分かった。
カツオドリの目は正面についている。中学の理科で習う、「草食動物は外敵から逃げるため、広範囲を見渡すように目が横についていて、肉食動物は獲物の位置を正確に測るため正面についている」というアレである。カツオドリは上空から海の中の魚を狙ってダイビングするので、そのようになっているとのことだ。黒目が小さいのがオス、大きめなのがメスだそうだ。まん丸な目は、なんともユニークな表情をかもし出す。
また、マスクカツオドリはふたつの卵を産むのだが、雛は1羽しか育たない。たいてい先に生まれた体の大きい雛が、後から生まれた弱い雛を巣から追い出し、追い出された雛はやがて餓死してしまう。マヌケな顔して、結構えげつないことをするんだね、キミたち…
しかし、自然環境が厳しいガラパゴスで、弱肉強食は仕方のないことでもあり、効率のよい種の繁栄の方法でもある。所々に、追い出された雛の死骸がある。

崖の上はマスクカツオドリの巣

正面から見ると変な顔…

巣から追い出され餓死した雛

島には上陸観察用の遊歩道のような道がある。その脇にはすぐ動物がいて、時には上陸観察用の道に巣を作ってしまうこともある。けれど、人間が近づいても逃げることはなく、きょとんと不思議そうにこちらを見ている。
特にアオアシカツオドリはかなり近づいても微動だにしない。その目の覚めるような青い足で、すっくと立っている様子は、まるで美術館の展示物だ。

しばらく進むと、さりげなくアホウドリが道の脇で抱卵していた。
あああああ、感激のご対面!!やっと会えたのね〜…!
間近で見るアホウドリは、本当に美しい。
写真を撮るためにヒヨ夫が近づくと、くちばしをカプカプ鳴らして、一応威嚇してきた。(全然怖くないんだけど…)産卵期には、いくらなんでも警戒心が増すらしい…でも、逃げないところはガラパゴスだね。
その先には、アホウドリのコロニーがあり、沢山のアホウドリが抱卵していた。傍らに連れ合いのアホウドリ。アホウドリの夫婦は一生添い遂げるような仲良しなのだ。

   
   道端のアホウドリの巣。いや、巣の場所を歩いているというのか。 右はアホウドリの夫婦


人を恐れないどころか、ポージングまで…
気の利く子たち。

岬の先端には、岩の隙間から塩が吹き上げる「ブロー・ホール」があり、まるで間欠泉のように時折激しい噴出を繰り返していた。
景色も抜群に美しい。真っ青な海と空。大自然なんだなぁ。

ここで、1羽のフィンチが、同じチームの女の子の腕にとまった。フィンチも警戒心が薄い…
人間を恐れない習性は、乱獲をされる原因だった。カツオドリやフィンチは、海賊達のご馳走だったようだ。

またしばらく行くと、アホウドリの大きな卵がいくつか見捨てられていた。しばしばこういうことがあり、アオアシカツオドリが卵を引き取って温めることもあるらしいが、巨大すぎてう化はしないということだ。

                              

↑写真にマウスを乗せると潮吹きします。雰囲気分かるかな?

見捨てられた卵。

岬の先で休憩。最高の景色。

人懐こいフィンチ

他には、アオメバト、ガラパゴスノスリなど、珍しい鳥も見られ、大満足の上陸だった。
この島は、イイ!
このあとも色々島を巡ったけれど、私はプラサ島と並んでこの島が一番好きだ。写真の多さがそれを物語っている。

旅行前、「動物なんて興味は無い。」と、決してノリノリではなかったヒヨ夫も、結局随分と楽しんだらしい。帰国後、いつも横になってテレビを見る場所を
「オレのコロニー」と呼んでいる。

ガラパゴスノスリ

◆デビルズ・クラウン(岩礁)、プンタ・コルモラント(コルモラント岬)〜フロレアナ島

午後の上陸は、エスパニョラ島の西60kmのフロレアナ島。
移動の間に昼食をとり、しばし部屋で休息。窓からぼ〜っと外を眺めていると、海面から何かがジャンプしている。イルカの群れだ!
しかも2頭3頭ではない。結構な数の群れだ。ここまで沢山の群れなんて、なかなか見られない。
ガラパゴスはやっぱり凄い…

フロレアナ島が近づいて、シュノーケリングとグラスボートツアーに参加する人は、名簿にチェックをしてパンガに乗船。
沖合いでグラスボートに乗り換えて、デビルズ・クラウンという岩礁近くの海の底を観察。

魚やヒトデが沢山いた。でも、海の中の景色のよさでいったら、沖縄には適わないかなぁ。世界一の海といわれる沖縄の所以が、ガラパゴスと比較して実感できるとは…日本もたいしたもんだよ!

ここでも、アオアシカツオドリが海にダイブして魚を取る様子が間近で見られた。シュノーケリングの人は、水中でアオアシカツオドリに出会ったに違いない。いいなぁ・・・


   

大ジャンプのイルカ


デビルズ・クラウン


グラスボートツアーを終え、またパンガに乗り換えて、フロレアナ島のプンタ・コルモラントへウェットランディング。
ここの目玉はなんといってもオオフラミンゴ。
オオフラミンゴも、人間が持ち込んだイヌや豚に卵を襲われ、数が激減した生物。いつも見られるわけではない、との案内があった。前回のクルーズでは見られなかったということだった。
浜から少し歩くと、大きなラグーン(塩湖)が見え、向こう岸にピンク色の点が3つ…
いた!オオフラミンゴ!!
アフリカの湖みたいに、大群でいるわけじゃないけど、別にフラミンゴだけを見に来ているわけじゃないから、別にいいのだ。それに野生のフラミンゴなんてはじめて見るし。
すると、一羽がふわりと飛びたち、水面を数十メートルすべる様に舞った。

フラミンゴはこのラグーンで子供をまとめて子育てするらしい。ラグーンはフラミンゴにとって保育園なのだ。幼鳥のときはピンク色が薄く、成長すると濃い色になる。今回は皆濃い色だったので、全部大人のフラミンゴだったのだろう。
ラグーンの横を通り過ぎると、白砂のビーチ。ここにはウミガメが産卵に来るそうだ。頭上を無数のグンカンドリが飛び回り、やがて孵化するウミガメの子供を食べるんだろうなと想像は広がる…



ここフロレアナ島には人間が住んでいるが、それは島の反対側。古くから、航海で立ち寄る場所になっていたため、「ポスト・オフィス・ベイ」という無人のポストが置かれている場所もあるそうだ。ここに手紙を入れておくと、次に訪れた同じ国の人がそれを持ち帰り、帰国後に切手を貼って出す、という暗黙のシステムだそうだ。(現在でもそのようにしている。)ここに上陸観察するクルーズ船もあるので、興味のある人は探してみてはどうだろう。





◆星の降る夜

船に戻って一息つくと、また明日のブリーフィング。明日もイサベラ島のプンタ・ビセンテ・ロカというポイントでシュノーケリングが出来るとのこと。それは「ランボーとミッキーマウスの中間」という抽象的なレベル。よく分からなかったけれど、一応申し込んでみた。また、朝早くフェルナンディナ島とイサベラ島の海峡を通り過ぎるとき、イサベラ島の火山がよく見られるらしい。希望者にはモーニングコールをするので印をつけろとのことだった。これも一応記入。
それから部屋に戻って、昨日に引き続き洗濯をした。洗濯ロープを引っ掛ける場所が無く、仕方なくクローゼットの上と額縁の角に引っ掛けているのだが、せっかくのいい部屋が台無しだった…みんな、結構大きな荷物で旅行しているが、それは洗濯をしないためなのだろうか。そのわりには、同じ服を何日も着ているようだったけど…

さらに、サンタクルス号などの大型船では、ルームキーパーが部屋の外に待機しており、少しでも部屋を空けるとすぐに部屋に入り、汚れていなくても掃除をしてくれるのだ。掃除はいいんだけど、パンツの干した部屋に入られるのはちょっとイヤだ。せめて下着は多めに持っていくべきだったか…

私たちの部屋の前にも御歳70歳ぐらいの陽気なおじさん(私たちは親しみを込めてジッチャマと呼んでいた。)が待機していた。ジッチャマは掃除をした証に、枕元にチョコレートを置いていく。昨日掃除のお礼に、1ドル札を鶴に折ってを渡したら大変喜んでくれ、チョコレートの数が増えていた。



夕飯を終え、部屋でくつろいでいると、「天気がよいので、これから天体観測をします!希望者はサンデッキに集まってください!」と、館内放送があった。
素敵なジッチャマ

ジッチャマのチョコレート
ガラパゴスの動物がモチーフ

実は夕べ、夜中に目が覚めて、一人でデッキの風に当たりに行き、すばらしい星空を見た。さそり座が頭のてっぺんにあり、一瞬それと分からなかった。ああ、赤道に来たなぁ、と実感した。
今日は時間的にまだ早く、多分南十字星が観察できる。ヒヨ夫も南十字星は一度見てみたいというので、二人でサンデッキに上がり、これまで見たことの無い、まさに星が降るような美しい空と、南十字星を眺めた。



5月 エクアドルの星空 (クリックすると拡大表示します)

引用:「お星様とコンピュータ
   
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