ガラパゴス諸島 クルーズ記
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6日目 サンタクルス島

◆サンタクルス号下船、チャールズ・ダーウィン研究所〜サンタクルス号

今朝は朝食を済ませたあと下船する。下船場所は、サンタクルス島と空港のあるバルトラ島の間の「イタパカ海峡」というところ。
今日は私たちのチームが最初にパンガへ乗る番だった。
パンガが桟橋に向けて進みはじめると、前方に空から何かが海に向かって落ちていく。よく見ると、アオアシカツオドリの大群が、漁をしている姿だった。
カツオドリは海面に対し、ほぼ垂直に降下していく。くちばしから尻尾までをロケットのように一直線にして、頭からダイビングするのだ。数秒後、発泡スチロールが水中から浮かんでくるがごとく、凄い勢いでざばっと浮き上がり、口にくわえた魚を飲み込む。これが何百羽、目の前にいる。
ガラパゴスで見た光景では、一番の迫力で、一番自然体で、一番ガラパゴスらしいのが、これだった。

7泊8日の日程で参加した人は、下船してからバルトラ空港へ向かうが、私たちのように3泊4日日程の人は、ガラパゴス最大の街「プエルト・アヨラ」に向かうバスに乗り、チャールズ・ダーウィン研究所へ行く。
イタパカ海峡の桟橋からは、唯一の舗装道路を通り、途中スカレシアの林の中や農業地区を抜けて、街に到着。町外れでバスを降り、そこから研究所までは1kmぐらい歩いていった。


ダイブするカツオドリの群れ


スカレシアの森を切り開いて道路が作られた。

チャールズ・ダーウィン研究所は、絶滅危惧種の保護活動や繁殖、生態系の研究など、ガラパゴスの自然を守るための様々な活動を行なっている。ここでは、繁殖した子ガメや、希少種のカメ・イグアナなどが見られる。入場料は取らないので、無料の動物園のような感じでもあった。
ここには、世界一有名なカメ「ロンサム・ジョージ」もいる。

チャールズ・ダーウィン研究所

絶滅が危惧されるリクイグアナ

人工飼育されている子ガメ

ロンサム・ジョージ

ガラパゴ…これはスペイン語で「リクガメ」を意味している。かつて、ガラパゴスがカメだらけだったことを示す名前だ。
大航海時代以降、水も食料もなしで1年以上生きていられるゾウガメは、海賊や船乗り達の格好の保存食となった。簡単に捕まえられるゾウガメはあっという間に乱獲され、船に大量に積み込まれて様々な島から消えていった。

ガラパゴスゾウガメは、島ごとに食性が異なる。
サンタクルス島のように雨が多く下草が豊かな島のカメは「ドーム型」の甲羅を持つが、木のように背が高いウチワサボテンを食べる種は、高いところまで首が伸びるように甲羅がめくれ上がって馬の鞍のようになっている「鞍型」である。
つまり、島ごとに植物も固有の亜種を持つようなガラパゴスの特性から、カメも島ごとに亜種として区分されているのである。ひとつの島からカメが消えれば、それは種の絶滅を意味するのだ。

ドーム型の甲羅を持つゾウガメ(左)と、鞍型の甲羅を持つゾウガメ(右)

ロンサム・ジョージは、ピンタ島に残された最後のピンタゾウガメである。40年ほど前に発見され、研究所に保護された。現在、推定80歳〜100歳、人間で言うと40歳ぐらいだそうだ。彼が死ぬとこの種は地球上からいなくなる。だから「ロンサム(一人ぼっち)」なんて呼ばれている。絶滅を阻止するため、ピンタゾウガメによく似た種のメスを持ち込んで繁殖を試みるも、最近ようやく1個の卵が確認されたばかり。孵化はしていないらしい。2007年にはイサベラ島にビンタゾウガメと同じ遺伝子を50%持った種が発見され、イサベラ島にピンタゾウガメの100%純粋な種がいるかもしれないといわれているが、まだ発見には至っていない。



◆ハイランド地区、ゾウガメ保護区〜サンタクルス島

さて、研究所の見学を終えた後時点で、サンタクルス号のツアー全日程は終了。ガイドたちにお礼をつげ、さっき乗ってきたバスから荷物を受け取り、そのまま私たちはホテルに向かった。今日から2泊3日、私たちはサンタクルス島に滞在する。
ホテルは研究所に近いエコノミーなホテル。ガラパゴスではホテルが比較的高め。お値段のわりにはシャワーの温度調整が出来ないなど問題もあったが、寝るだけの部屋に文句もいうまい。清潔だし、私たちの部屋はトリプルルームだったから広めで、家族連れにはいいかもしれない。

ホテルでベッドに横たわって気が付いた・・・ 

  ・・・まだ揺れている



午後は、ハイランド地区に野生のゾウガメを見に行くように手配してもらってある。ホテルに迎えが来るまで、昼食を取りがてら街をぶらぶらした。港までの1kmの間に、商店や土産物屋、銀行、魚市場など、充実したラインナップの町並みが続く。
ところが2時近くになると、
お店は軒並み昼休みで閉店する。買い物はそれまでか、夕方4時以降にするしかない。

2時にホテルへGalextorのナチュラリストがお迎えに来てくれた。彼は数週間前にナチュラリストの資格を取得したばかりで、英語もあまり得意じゃないから申し訳ない…というようなことを言っていた。でも、英語が不自由なのはお互い様なので、結構楽しく過ごせた。

サンタクルス島 プエルト・アヨラ
「プエルト」とは、スペイン語で港
彼曰く、ナチュラリストになるのは本当に厳しく、凄く勉強したらしい。現在は800人が活躍しているが、ガラパゴス在住者しかなれないとのこと。ガラパゴスへの人口の流入が限界らしい。エクアドル政府発表によると、諸島全体で人口は2006年に2万7000人を超えている。今後、様々な規制が整備され、国を挙げてガラパゴスを保護していくようだ。

まず、ハイランドへ行くには、公園管理局に入山届けをする。これはナチュラリストの仕事なので、私たちは車に乗って待っているだけ。

そのあと、ピット・クレーターという、火山の陥没口を見に行った。大きなクレーターが、道を挟んで2つあった。その周りには、スカレシアの原生林が広がり、フィンチのさえずりも聞こえている。気候も、プエルト・アヨラのむんむんした感じはなく、さわやかな高原の気候だった。


公園管理局(左)、ピット・クレーター(右)

次に、ゾウガメ保護区へ。
ゾウガメ保護区の入り口は、なんと個人の農場だった。
ガラパゴスには固有種の植物も沢山ある。しかし、それは全体の50%程度なのだそうだ。人間が持ち込んだ植物や動物が、固有の植物を駆逐してしまう。時に農作物でさえも、この島では危険な植物なのだ。


まずは入り口に1頭、大きなゾウガメがいたので、飼われてるのかと思ったら“ナチュラル”だった。こんなところもガラパゴスらしい。
奥に進むと、ナチュラルなゾウガメがもう1頭。少し近づくと、頭を甲羅の中にしまっていった。

帰化植物のコーヒー
ゾウガメは、甲羅の模様で年齢が分かる。亀甲模様のすじの数が年齢を表し、すじがはっきり読み取れないほど擦れていれば、100歳は超えているのだそうだ。また、ゾウガメは池のすぐそばに暮らし、1日数回水浴をするという。これは体についている寄生虫を殺すためだといわれている。
私たちの見ている間も、ゾウガメが巨体を持ち上げながら水浴に向かっていった。水面から鼻の穴だけを出し、プスーと息をしている。

甲羅の模様が擦り切れている。100歳以上らしい。

下草が豊富なため、ドーム型

忍者かよ!

奥のほうにもうひとつ池があり、ここでもゾウガメは水浴をしていた。そういう時間帯なのかもしれない。

さっきの保護区入り口には、ゾウガメの甲羅が置いてあった。
ヒヨ夫は
「甲羅の中に入ってみる。」という。
いい歳してやめてくれと思ったが、結局私も入ってしまった… 
傍から見たら浮かれた馬鹿夫婦だったに違いない。


保護区から少し離れたところに、溶岩の通り抜けた跡がトンネルになっている場所「Lava Tunnel」(そのまま・・・)へ行った。中は明かりがついていて、入り口から出口まで10分ぐらいだった。途中、細くなっているところがあり、ほふく前進のような格好でなければ通ることは出来ない。

私たちの前にアメリカ人家族が、果敢にチャレンジ。しかし、割り引いて見ても通り抜けるのが厳しそうな巨体の彼ら。父…OK、母…OK、長男…OK、そして一番の巨漢・最後の次男君。
結構苦しそう… そして通り抜ける瞬間に
「…ブッ。」と、勢いよく放屁…
そのあとの
〜〜フウというため息には、どうにも笑いをこらえることが出来なかった。

これで、ハイランドツアーは終了。雨が降ってきたけれど、ハイランドでは毎日小雨程度は降っているらしく、港に着いたら全く晴れていた。


果敢なアメリカ人ファミリー。
この後、後ろの彼を悲劇が襲う…

   
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